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Fully and effectually

ちょっと訳しづらい重々しい「決まり文句」について考えてみます。
(1)は委任状(Power of Attorney)から (2)は契約書からです。

(1)I appoint to be my attorney to act for me in my name and in my interests…..as fully and effectually as I could if personally present.

(私は、私自身の利益に最大限に資する行為を行う者として___を法定代理人に指名する。)act in my interests ….fully and effectuallyは「十分かつ効果的に」と直訳せず、「私自身の利益に最大限に資する」と言い換えました。

(2)Acme shall not make any claim or take any action adverse to Dynamic’s ownership of or interest in the Dynamic Marks. Without limiting the generality of the foregoing, Acme shall not attempt to register any Dynamic Mark or any mark confusingly similar thereto in any jurisdiction.

(AcmeはDynamic Marksの所有権や商標権を侵害する請求や行為を一切行わない。例えばDynamic Markまたはこれに酷似したマークを登録する行為など、Acme はいかなる国においてもこれを行わず、またその他の侵害行為を行わない。)

‘without limiting the generality of the foregoing’とは、先ず一般的ルールを述べて、次に具体例をいくつか挙げるが、その例によって「上記ルールの一般性が狭められることはない」という意味であると、ある法律家が説明しています。

つまり「以下に述べる具体例だけでなく」という意味です。 契約書の和訳に「上記の一般性を制限することなく」といった表現をよく見かけますが、すんなりと意味が入って来ません。「以下の例だけに限らないが」とした方が分かりやすいですね。なお、「上記の一般性に制限されることなく」といった訳も見受けられますが、これは意味が逆で「一般性を制限することなく」という意味です。契約書に頻出する‘including, without limitation‘と同じ意味で「~など」といえば済むことです。

法律家で契約書ライターのKen Adamsは “you should almost always be able to use a less ponderous alternative” 「多くの場合、もっと平易な言葉で言えるはずである」と言っています。

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